ヨーロッパ(1998)

ローマへ

Rico

朝、ミュンヘンを発ち、ローマ行きの電車へ乗り込む。
今日は10時間ほど電車に揺られる。
ゆっくり寝るか、と思ったけれど、何度も起こされる。
というのも、ドイツからオーストリアを通りイタリアに入るから、国境でパスポートを見せたり、チケットのチェックにそれぞれの国でやってくる。
今までフランス→オランダ→ベルギー→ドイツではパスポートのチェックはなかったのだが、こっちでは必要らしい。
貧富の差もあるからだろう。

さてさて、ここで問題が発生する。
私の中にはオーストリアという国が全く頭になかった。
降りないから、と思っていたんだけど、(というより、何も考えてなかった。)
私のレイルパスは5カ国で、オーストリアが入ってなかったのだ。

駅員さんと私の会話。この駅員さんがまた英語がかたことで。
駅員さん:(私のチケットをチェックしながら)「これ使えないよ」
(何度も何度もいう。なんだか怒ってる。)
私:「あ、、、」
駅員さん :「ボーダーからボーダーまでのお金がいるんだ。このチケットはオーストリアでは使えないんだ。」(ものすごい剣幕)
私:「わかったから、わかったから。で、いくらなの?(あ!ここで私は現金を全くもっていないのに気がつく)わかったけど、、、、私、お金もってないや」
駅員さん:「ああ!ドイツのお金しかもってないっていうんだろ!大丈夫さ!」(自信満万)
私:「ううん、ドイツマルク持ってないよ。」
駅員さん:「ああ!イタリアリラね!いいよ!使えるよ!」(どんなもんだいって顔)
私:「ううん、持ってないの」
駅員さん 「じゃあ、どこのお金なら持ってるって言うんだ!!」(キャー怒ってる)
私:「日本円……」
駅員さん:「……………………………………………。」
私:「クレジットカードならもってるけど…」(アセアセ)
駅員さん:「……電車の中で使える訳ないだろ」
私:「……………………………。」

そして、ものすごいあきれた顔で駅員さんは去っていった。
私は今でもその顔は忘れられない。
しかし、タダ乗り。いや~降ろされなくってよかったよかった。
タダ乗りで心苦しいが、途中のオーストリアの景色は最高で、テレビの中でしか見た事のないような景色でした。
いつかオーストリアも訪れてみたいな。

さすがに10時間って疲れる。
以前下関→神戸を青春18きっぷを使って鈍行列車で10時間乗ったけど、今日はあれ以上に疲れた。
おしりがイタイ。
一緒に乗っていた人たちも次々に降り、ローマに近づくにつれて、一切英語が聞こえなくなった。
ローマ(Roma)につくとマッシモがテルミニ(Termini)駅で「れいこ ※※※と」とちょっと外人ちっくなひらがなを紙に書いてたっていてくれた。
今日からここのお家でお世話になる。
実は初対面で今まで話したこともない。
父の知人の知人ということで、ずーずーしくも、尋ねてみることにしたのだ。
彼は日本語が話せる。
同じ年だけど、私の英語よりも彼の日本語の方が確かだ。

家に帰ったら、ママの料理で迎えられる。3人家族。
イタリア本場、手作りスパケティー。
始めこれでお腹いっぱいになって、ごちそうさま、って言ったのだが、その後にメインがでてきてびっくり。
そうだった、、イタリア料理ってこの順番なんだった、、、。
今まで、少量の食事になれていた私には苦しかったけど、せっかくの歓迎の料理だから全部食べる。
イタリアの家庭料理はとってもとってもおいしかった。
ボーノ!ボーノ!

ABOUT ME
Rico
Rico
旅するWebディレクター
福岡県在住の旅するWebディレクター
主婦業・子育てもしながら、仕事もしながら、旅も暮らしの一部のようにしたい。
人生一度切り。いつか行こうの「いつか」は永遠に来ないかもしれないから。
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